シカゴ道場のつわものたち その3     September 2, 2006

ある日、女の子2人が入門するため両親と道場にやってきました。その頃のクラス指導を受け持っていた僕は『まぁ!3ヶ月もすれば辞めるだろうなぁ〜』ぐらいに思っていた記憶があります。女の子たちは、その時4th grade(小学4年生)といっていましたが、おしゃれに気を使いマニキュアなんかもするので日本の同年代の子たちと比べると大人びて見えます。 今回は、その内の1人について書きます。
 
 彼女の名はAngie Yeoh といい、苗字から察しがつくようにお父さんが中国系でお母さんは確かポーランド系とドイツ系の血をひくと聞いたような覚えが...? 東洋と西洋のミックスであり、とてもきれいな顔立ちをしていて、内心『将来、Hollywoodでチャレンジすればいいのに!』ぐらいに思いました。(昨今、同じようなタイプのMichell Yeohが東洋系女優として成功しているのだから...。) とてもShyだった彼女ですが、その頃から闘争心は強く持っていたようで56年生になって小学生大会に出場した際、出場人数の関係で男子との組み合わせになっても臆することなく、相手の学年が上であろうが果敢に向かっていき優勝したのを思い出します。相手から一発でもいい攻撃をもらえば目に涙をためながらでも休むことなく猛ラッシュで攻めていた姿が思い浮かびます。お父さんも厳しいところがあり、意味なく後ろに下がることを許さず、試合に勝っても納得する内容でなければ強く叱咤激励していました。  そして、成長するにしたがいいちだんと稽古を重ね21歳になってコロラド州デンバーで行われる全米大会に出場できるようになるとWomen's divisionで三連覇を成し遂げました。 その後、僕が道場を離れたため顔を合わせる機会が少なくなりましたが、2年前のデンバーでの大会で彼女のcorner manを努め、久々に間近で勇姿を見る事が出来ました。 残念ながら、決勝戦はPenaltyが重なり、準優勝になりましたが、その闘志は少しの衰えも感じさせず、負けた自分に対しての悔しさは相当のものだったと控え室での涙が物語っていました。翌年の大会ではChampionに返り咲くことを僕に誓いましたが、生活状況が変わり選手としての十分な稽古が出来なかった為、entryしなかったようですが...。 僕が帰国前にDinnerを共にした時は一緒に入門した女の子で他州の大学に通っていたカリーナも来てくれ思い出話に花が咲きました。ただ、Angieは一切アルコールを口にせず日頃から身体のコンディション作りに気を使ってる様子が伺えました。まだまだ彼女の戦う勇姿を見たいものです。

現在、彼女は写真家としての夢を持ってartで有名な大学での学業に励みながら三浦師範の下での稽古も欠かさず続けているようです。また、僕が教えていた台湾系Sunday school での指導も彼女には抜群の信頼をもって引き継いでもらいましたが、校長先生はじめ保護者からも信頼され、がんばっているようです。 僕もうれしくなると同時に『今も彼女に負けないぐらいの勇気を持ち続けているだろうか?』と自問する僕がいます。
 今、僕のクラスは女の子の人数が多く、その子たちは上達も早い! 一般社会に於いても、これからどんどんと女性が強くなり、あらゆる場面で主導権を握っていくのだろうか...?   『男達がんばろ!』 Osu!

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