アメリカは広いぞ!     August 18, 2007

日本へ帰国前に50日ほどを費やし、全米を(9000マイル/15000キロ)車で走破しました。 あれから既に3年の月日が過ぎ去ってしまいましたが何回かに分け、その時の思い出を書きたいと思います。

2004831 1300pm JAL Chicago officeで退職に伴う様々な事務手続きを済ませ、I-94(高速道路)をデトロイトに向け出発しました。この旅は行き先を決めておらず漠然といままでに行った事のない町を訪ねながら全米を廻ってみようというもので気分まかせの旅でした。 ただ、米国内の旅は場所によって高速道路の降り口を間違えたり、曲がる道を一本間違えただけで雰囲気ががらりと変わり身の危険にさらされる事態になることも心のどこかに留置きながら...。 何時ぞや、幼馴なじみのAkiraとニューヨークを旅していた時、降り口を間違えてしまい、あの当時もっとも悪名高くPoliceでさえ行くことをためらうと言われていたSouth Bronx に迷い込んだ経験があります。しかも深夜に! 車内ではお互いが無口になり、不気味に静まり返った町の中を必死になって車を走らせたのを思い出します。 幸い何事もなく脱出でき、いまの僕がいるわけですが、あの時の恐怖を他ではなかなか味わえるものではありません。
 さて2100頃デトロイト到着。 日本では自動車産業の町として有名だと思います。 以前、日本車の輸入が拡大して、この町が不景気になった時、東洋人が逆恨みから射殺さる事件も起こっており、長居は無用です。 夕食を済ませた後、せっかくここまで来たという思いからカナダに渡ることを思いつき国境の町 Windsor, Canadaを経由して陸路Montreal に向かいました。 日誌を見るとMontreal 到着が翌日19:00となっており、随分と遠かったんだなぁ〜と改めて感じました。 道中のことで思い出すのは風景がとても美しく『カナダにも住みたいなぁ〜』と思ったのとFrench Canadian が多く住む地域なので道路標識が英語とフランス語の2ヵ国語表示だった事ぐらいかな? カナダはバンクーバー、カルガリー、バンフ、それとシアトルに行ったついでに、そこから船でビクトリア島にも渡りましたが、どこの風景も『美しい』の一言でした。 特にバンフは日本からの観光客も多く大橋巨泉が店を構えている町ですが、あの時に見た素晴らしい風景は僕の心にしっかりと刻み込まれています。

そろそろ運転の疲れが出始め、その日はモントリオール市内に宿を取って休むことにしました。ところが市内中心部に近づくにつれて道に人が溢れ、大声を張り上げながら旗を振って闊歩していました。てっきりデモかと思ったら、どうもアイスホッケーの試合の余韻で人が町に繰り出しているとの事でした。 確かNHLのファイナルかプレーオフでとても大事な試合だったように思います。 こうなると市内のホテルはどこも満室状態で料金も跳ね上がっていました。 何軒か廻っても空室がまったくなく、最後に相当古ぼけたモーテルに辿り着き「ここで取れなかったら、しばらく走って市内から離れれば大丈夫だろう?」くらいの気持ちでトライしました。ここであれば高くても50USD(約6000円)は超えないだろうと思えるぐらいボロボロの建物でしたが、フロント係曰く「スウィートルームしか空いておらず、料金は260CAND(24000円)」 これを聞きおったまげましたが、疲れていて眠かったのとシャワーを浴びたい気持ちに負け、この部屋に泊まる決心をしました。 このモーテルのスウィートって『普段どんな奴が泊まっているのかな?』と ず〜っと疑問を抱きながら死んだように翌朝まで眠り込みました。目が覚めてから昼過ぎまでは市内を散歩していると、昨夜の余韻があちこちに残っており、僕は適当な店に入り、朝食とコーヒーを取りながら、これからどう行動しようかと考えを練りました。 いま思えば、ゆっくりと一人街角のテーブルに座ってコーヒーを啜りながら考え事が出来たのは、その時が最後では? 日本に帰ってきて以来、時間に追われてあっという間に毎日が過ぎ去っていきます! 家でコーヒーを飲みながら考え事をしていると、2歳半になる娘がちゃちゃを入れてきて、なかなかゆったりとした気持ちで考える時間など取れません。『あ〜あ』と その時を懐かしみ溜め息をついてしまいます。

特に、ここ二週間程続く異常な暑さ!じーっとしている事さえ嫌になります。 やっぱり日本人は我慢強いで!こんな暑さの中でもスーツに身をまとい当たり前のように仕事をこなしていきます。 僕もそういう人たちに負けないよう空手衣という我々のスーツに身を包み、気合いを入れて突き蹴りを繰り出さねば! もちろん!熱中症には気をつけながら!!  押忍

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