初心忘れるべからず!  April 12, 2008

 日本に住むといろんな面で季節感を味わせてくれます。 アメリカに住んでいると食べ物ひとつ取っても旬の物として、その季節を思わせてくれる事は少ないような? ところで、『情緒』って英語でどう表現すんだろう? 僕の頭には直ぐ浮かんできませんが...? そう僕が好きな、温泉につかりながら味わう何とも言えないあの心地良さ! Hot springs では無く『温泉』で感じ得るRelaxation

  話が横道に逸れそうになりましたが、日本に住んでいると4月は物事が新しくスタートや再スタートする事が多く change 或いは renew と言う言葉が似合う月のように思います。 縁あって新しく大津道場で空手を習い始める人もいると思います。 僕自身、初心者を指導する度にいろんな事を勉強させてもらいます。 初心者、特に子供が白帯から昇級して色帯なると指導者としてのスキルが「少しは上達したなぁ〜」と内心ガッツポーズ状態です。 シカゴでは「子供がしっかり指導できるようになったら指導者として一人前だよ!」と三浦師範に常々言われ、よく子供クラスの指導を任されました。 その経験がこんにちのクラス指導に大いに役立っていると感じます。 例を挙げると、日本ではどの種目であれ指導者の大人達は習う子供達に対し何事も命令口調での指導が多く見受けられるような...? 僕の考えでは『それは違う!』。 何事でも命令されて動くことに慣れてしまうと、疑問を持ち自らの頭で考えながら、己に合った動きを試す事に疎くなるような気がします。 ただ、軍隊のようなところでは上下関係をはっきりさせ、すべてに於いて命令でなければいけないと考えるのは僕だけだろうか...? 何か教育論になってしまいましたが、僕も道場生に対して励ます際はDo it ! Come on ! Keep it up !など命令口調になりますが、英語だと言い易く感じます。 日本語では『それやれ!』とか『我慢しろ!』ってな感じですが、やはり言い難い気がします。

  ちょっと余談になりますが、アメリカに住んでいると人に対して中指を立て『Fxxx ! 』(ここでははっきりと書きませんが、エフワード)を使う事は相手をもっとも侮辱します。 渡米当初はそんな事を知る由も無く、ある日、ニューヨークの地下鉄に乗ってると駅で突っ立てた黒人がドアの閉まる瞬間、僕に向け中指を立てました。てっきり何かの挨拶だろうと思った僕は笑顔で同じように中指を立て返しました。 すると、彼が血相を変えゆっくりと動き始めた電車のドアを叩きながら追いかけて来たのを今でも思い出します。その時は何で怒り始めたのかさっぱり分かりませんでしたが、道場に帰って先輩からその意味を聞かされ納得しました。以後17年のアメリカ生活で中指を立てられたりFword を使われて腹立たしく感じるようになった時、『少しはアメリカ生活に慣れ始めたかな?』という気分になった記憶があります。

 余談はこれぐらいにして何が言いたいかというと、人は誰しも物事を始めた頃のこと、もっと言うと親の手を借りずには何も出来なかった幼き頃のことを忘れがちになり、初心者に物事を丁寧に教えるのをめんどうに感じたり、育児を放棄し虐待に走ったりする輩が出てきているのが今の世では? 

 締めくくりにI don't understand what you are saying !(何言ってるか分かんないよ!)Are you speaking in English ?(英語で話してんの?)と 5, 6 歳の道場生に言われ、大きなショックと共に自信をなくし打ちのめされたような気分で親たちが私の手腕を厳しく見定める中、子供たちを整列正座させるのに10, 15分かかり、黙想するのにまた5, 10分かかり、45分のクラスの殆どがそれだけに費やされて思い悩んだ日々。これらの事を試行錯誤する中で克服できた根本には僕も彼等と同じ道を歩んだという思いを持ち、空手を始めた頃のアメリカに行くと決めた頃の熱い初心を忘れなかったからだろうと信じています。  押忍

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