グランドキャニオンに立って  August 24, 2008

 そろそろ夏の終わりを感じる今日この頃、僕にとってはアメリカ一周にチャレンジしてから丸4年を迎えます。 という事は、数か月後にはアメリカを離れてから、はや4年が過ぎ5年目に入ろうとしているのか〜・・・? 時の過ぎ行く速さをつくづく感じさせられています。今月初めには友人のVivas一家が東京に立ち寄った際、久々に顔を合わせ懐かしい思いにさせられたばかりでした。過ぎ去った日々を懐かしんでばかりもいられませんが、たまにはこんな時間を過ごし、ゆっくりするのも最高のリラクゼーションになります。 日頃、僕はもっぱら日帰り温泉で湯に浸かりながら、思い出にひたり生気を養う事にしていますが・・・。その時間は僕にとっては、この上ない至福のひと時です。さてさて、ここでアメリカを旅した話に戻し、その時に撮った写真を見つめながら頭に浮かぶ思い出を!感じた事を!書いてみたいと思います。

確かコラムの中でNASA スペースセンターに行ったところまでの話を書いたと思いますが、そこから向かったグランドキャニオンでの事について書きます。 それまでグランドキャニオンに行った人達から「そこに行くと人生観が変わる」と何回か聞かされ、それを自分自身でも実感したいと思い車を走らせました。South peakNorth peakがあり、僕が行ったのはどちらだったか覚えていませんが・・・。まぁ〜それだって人間が勝手に名付けたのであって、どちらから見ようと間違いなくグランドキャニオンをこの目で見て、目の前に広がる壮大な風景に圧倒され己のちっぽけさを思い知らされ自然の力に感服しました。 下に流れるコロラド川のところまで降りられるようになっていますが、泊まりがけでないと無理という話。 僕なんか観光地に来た気分で『展望台なんかがあって、そこを見終われば下を流れる川近くに行って水に触って・・・1時間半もすれば駐車場に戻ってこられるだろう?』ぐらいに考えていたため、服装もTシャツ・短パン・雪駄といういでたちでまったくの問題外で自殺をしに行くようなものでした。 それでも、若さか?単なる無謀さか?なんの裏付けもない自信だけで『下に行くのは無理でも崖の先からすぐ近くに見える、横に広がるヴューポイントには歩いても大丈夫!』と徒歩で向かいました。 99%の観光客はバスで巡るようですが・・・。 写真では一切木々が茂ってないように見えますが、実は森の中を突き進んでいきます。 最初はバスの通る舗装された道に沿って遊歩道があったのですが、突き進むうちに段々とそこから離れ、周りは茂った木々で先ほどまでの景色とは一変し、すれ違う人も無く、僕はとてつもない心細さを感じました。 その上、つい先程まで煌々と照りつけていた太陽はすっかり雨雲で覆われ、まだ正午を過ぎたばかりなのに、もう夕暮れ間近か?と思わせる薄暗さになってしまい、とてつもない不安に襲われ始めました。やがて大雨が降りだし、オーバーかも知れませんが、木陰で雨宿りをしながら『このまま野たれ死にするんじゃないか?』との思いが頭をよぎりました。 ポケットには財布と車のキーぐらいしか入っておらず、携帯電話を車に置きっぱなしにした事に気付き絶体絶命。 そんなこんなで30分程?(いや僕には1時間以上に感じられましたが)経ったころ、またいきなり太陽が顔を見せ煌々と容赦なく照りつけ始めました。 山の天気ってこんなに急変するものかとあっけにとられてしまいましたが、ほっとしている間もなく、またいつ天候が急変するとも限りません。気力を振り絞り無事にその森らしきところから抜け出し、今もこうしてkeyboardを打ててるわけです。 その夜、シャワーを取り心が落ち着いた時、ちょっとした周囲の変化にあまりにもオドオドとしてしまった己の心の弱さ、もろさを自覚し反省しきりでした。 いざという時にもあたふたせず落ち着いて物事に応じれる強い心を持ちたいと願っています。 それは空手道を学ぶ者にとっての大切な目的の一つかも知れません。  押忍

inserted by FC2 system