無題  May 17, 2009

 先日、たまたまテレビを点けると通常の何倍もの速さで老化していく難病に侵されていたteenager の生涯を収めたドキュメンタリー番組が放送されており、ついつい最後まで見てしまいました。 以前、何かで彼女の事を知りこんな病気にかかっている人は世界中でもさほどいないだろうという思いでしたが『800万人に1人の割合でかかっている』との説明。 これを多いと思うか少ないと思うかは人それぞれだと思いますが、世界中でなくても日本国内を見渡しただけで難病にかかり、その病と闘っている人達はたくさんいると思います。 私の身近でもつい先日まで元気に空手の稽古に汗を流していたのに緊急入院しなければいけなくなった子が二人もいます。 彼らは、まだまだteenにも届かない子供たちです。 彼ら自身の悔しさもさる事ながら親御さんたちを突然襲った悲しみは想像を絶します。 大山倍達総裁曰く『一番の親孝行は親より健康で親より長生きすることだよ!』と。 また、最近始めた新しい場所での空手クラスでは小児マヒの影響でハンディキャップを背負いながら何ら他の子たちと変わりなく稽古に励んでいる子もいます。 彼らとの出会いが僕の日頃の心構えに大きな影響を与えました。

  私は今でもそうですが特にアメリカに住んでいた時は『何事も経験』という気持ちで、どんなことにもできる限り首を突っ込んで体験をしてきました。 身近な一例をあげると、シカゴ市があるイリノイ州クック郡では交通違反で切符を切られた場合、< @ 違反を認めて罰金が少々安くなるが点数を引かれ、後々の保険料が上がる A 違反を認め、講習を48時間受け点数は引かれないようにする。 B 交通裁判所に出向き直接裁判官に猶予を申し出る > この三つの中から選択ができ、僕は @を選択することはありませんでしたが、Aを23回 Bを1回選択しました。 どちらも英語の勉強をしに行くと思えばそれほど苦にはなりませんでした。 特に Bの場合、僕に切符を切った警察官が当日出廷していなければ裁判が成立しない為、僕は何のお咎めもなく退廷できます。 しかし、うまく出来ているもので裁判所から呼び出されるのは切符を切られてから半年も経ち、その事をすっかり忘れた頃に突然やってきます。そうなると切符を切った警察官の顔なんてほぼ覚えていません。 僕が行った裁判所では20人程の違反者が同じ部屋で順番に裁かれるため、証人席には複数の警察官がたむろしていましたが、どの警官がどの違反者の為に来ているか分かりません。 こうなると一か八かで無罪を主張するか? 違反を認めた上で猶予を懇願するか?の選択になります。 無罪を主張した場合、そこに切符を切った本人がいれば当然裁判が始まります。弁護士を同伴しておらず、法廷で無罪を勝ち取れるだけの英語力も持ち合わせていなかった僕は『スピード違反の罰金だけで終わっていたのが、他の罪も重ねられたらたまったもんじゃない』と恐れをなし、すんなりと罪を認め、猶予を求めるだけにして裁判は約2分で終了しました。 実はPoliceに停止させられた時、お酒も少々入っていたにも係わらずスピード違反だけしかティケットを切られずラッキーでもあったのでこれ以上欲を出すとろくな目に遭わないと心得ていました。まあ〜いやな事でも何か自分の肥やしになると思って受け入れれば、それはそれで楽しめるものです。

  僕が帰国して間もない頃、家にあるセールスマンがやって来ました。彼によると『屋根に太陽熱を利用して電力を作り出し、それを電力会社に売るソーラーシステムを取り付けるキャンペーンをやっており、この地区では我が家が最適なので取り付けさせてもらいたいので、その説明に翌日上司を連れて再訪したい』との事。 翌日いかにもクセのありそうな60歳前後のおっさんが立派なアタシュケースを片手にやって来ました。 僕はてっきり無料で取り付けられるものだと思っていたら、なんと380万円のシロモノだとか? 契約書なる物もしっかりと携えてきています。約1時間にわたりシステムの素晴らしさを延々と説きます。 その時、僕は暇な時間を持て余しており彼の話にカラ返事をしながらも付き合いました。そして、彼が自信満々で契約書を差し出し僕にサインを迫った時を見計らって「お宅、騙す相手間違えたんちがうか? そんなもんタダやったら付けさせてやるけど1円でも払え言うやったら俺がつまらん話を聞かされた時間は500万円のチャージやから差し引き120万円請求するよ!」と少々語気を強めて言うと、らちが上がらないと思ったのか? どこかにこそっと電話して『またお伺いさせてもらいます』という言葉と共に去って行き、その後現れることはありませんでした。

  余計な事を書いてしまいましたが元気なうちに色々な体験を積み『もうこれ以上はいいです!』と思った時に人生の終焉を迎えるのが僕の理想ですが、現実はそううまく問屋がおろしません。いつ何が起こり、どんな運命を辿るか分かったものではありません。『手足が動くうちに好きなように動き、声が出るうちに好きな歌を唄い、味わえるうちに好きな物をいただく』 これ私のmottoなり!!  押忍

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