Adoption  November 9, 2009

 先日、家人から昨今のJAL問題の特集を組んだ報道番組が放送されると知らされ一緒に見ましたが、むしろ僕はもう一つのTopicだった日本の養子縁組というテーマに興味が沸き、その番組を見ながら思い出した事、自分の環境と重ねて感じた事を今回は書きたいと思います。

  私がシカゴオヘア空港のJAL officeで勤めていた時、年に一、二回東洋人の赤ん坊を連れた白人夫婦の団体客が飛行機からゾロゾロと出てくる光景を目にしていました。 彼らはカナダに住む人たちで、子供が欲しいのになかなか授かれない夫婦や既に何人かの子がいても、まだ子供を育てたいという夫婦が主に中国から事情があって親元で育てられない赤ん坊を養子縁組して連れて戻る光景でした。 Adoption tourと呼ばれbrokerが存在しています。 この仕組みに人身売買のような先入観をもっていた僕はあまり良い印象はありませんでしたが、養子縁組について特集したアメリカの報道番組を見て以来それまで知らなかった実態を知らされ複雑な心境になりました。 先日の番組でも不妊治療をしている夫婦にとって子供を授かる事がどんなに喜ばしく、どれだけ楽しみにしているかを伝えていました。 この思いは人種・性別に係わらず皆同じだと信じています。 その一方でブローカーが介在して大金を動かす、あくどい金儲けをしているのも事実です。 

  日本では少子化が叫ばれる中、不妊治療を受ける若い世代も多いと聞き、それに費やす時間とお金も驚くべきものだと聞かされた事があります。 そう考えると我が家は恵まれてるなぁ〜?と感じずにはいられません。 先日の番組で紹介されていたのは不妊治療を続けたが残念ながらわが子を授かる事は出来ず、里親として養子縁組を希望するご夫婦でした。 ただ、その手続きも一筋縄ではいかず面倒で審査も厳しいようでした。 私には、そろそろ思春期に入るstep son (義理の息子) がおり、何かと難しい場面に遭遇しますが、今のところ、大きな反抗もなく素直に育っています。 どちらかというと下の4歳になる娘の方が私に向かってパンチや蹴りをところ構わず繰り出してくるので、とっても痛い所に当たり押忍の精神で我慢する羽目になること度々です。 そういえば、僕が三浦師範の内弟子になったばかりの頃、4歳ぐらいだったお嬢さんが大山茂最高師範より数日前におもちゃを買ってもらっていたにも関わらず、師範に「おもちゃ屋さんに連れって行ってほしい」とおねだりしていたところ「No!」のお言葉。 すると、彼女も負けず一言。I'm going to punch you if you don't take me there!(連れって行ってくれなかったらパンチするよ!) これには日頃怖そうな顔つきの師範も苦笑いしながら冗談を返していた朗らかな場面をふーっと思い出させてくれました。

  子を育てるということは、自分の思うようには到底ならないし、それ以上に色々と学ばせてくれるものがある事を実感します。大津道場の幼年クラスは4歳から受け入れていますが、たかが30分のクラス、終わると15人組手を終えたような疲労感と達成感が味わえます。 三浦師範によく言われました。「子供のクラスがこなせるようになったら、一人前だよ!」と。 

  先日シカゴを訪ねた際、彼が8歳ぐらいの時に私のカラテクラスで出会い、中々言う事を聞かず手を焼いたDavid。 大学生になった今「この夏、三浦師範の下で黒帯を取得できた」とわざわざ私が滞在していた郊外のホテルまでgiftを片手に訪ねてきてくれました。 胸にグーッとこみ上げるものを感じずにはいられませんでした。  押忍

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