ホームタウンディシィジョン October 17, 2010

 書こう思いながら、ついつい時は過ぎ去り随分とご無沙汰をしてしまいました。 さて、今回はテレビで観た柔道世界選手権の模様を絡めながら書きたいと思います。 

  昨今の試合は重量級でさえスピーディな動きの中で技が繰り出され、一試合一試合目が離せない緊張感の中で進んでいきます。 私が中学の頃、柔道をしていた事もあって以前観ていた試合とは別物といった感じです。 技の判定、反則に対しての注意の仕方等もきめ細かく決められているようで観ている側としては、どちらが優勢かというのが分かりやすくなったように思います。 畑はちがえど我々国際武道空手道連合の大会でも取り入れたらいいんじゃないかと個人的に思ったシステムがいくつかありました。 私自身、選手で色々な大会に出場した一人として、いい加減な判定や曖昧なルールによって負けにされる事ほどやり切れない悔しさを味わう試合はありません。 それと同時にどんな大会であれ生身の人間が判定する以上ホームタウンディシィジョンが存在するという事もこれまた現実です。 おおむね公正な判定、応援をする日本国民は世界でも非常に稀な人種であり、崇高な存在に感じます。 何せ競技においてあまりにも偏った判定が下った際には、ここぞとばかりに天下のマスメディア達が登場し、そういう経緯を作りだした張本人を探し出した上で二度と立ち直れない程コテンパに吊るし上げて、その正義感に酔いしれます。 段々とマスコミ批判になり始めたので、この辺で話題を変えないと怖い怖い!

  僕がアメリカで出場していた大会は、すべて他団体の主催、或いは同じ連盟でも他道場の主催であり、いつも一人ぼっちで出場している感がありました。 余談になりますが、ニューヨークで極真会館主催のオールアメリカン大会に出た時などは三回戦ぐらいで当たった磯部師範率いるブラジル選手に対する応援団の凄さに私側には誰も付き添いがいない状況を五来師範がかわいそうと思ってくれたのか?私のCornermanにトーナメントディレクターでありながら急遽なってくれていました。その話はさて置き、そんな僕にいつも三浦師範は「判定で勝てるなんて思うなよ! 9割がた優勢でも引き分けにされるよ! チャンピオンになろうと思ったら全員のばして来なきゃダメなんだよ!」とアドバイスしてくれました。 この叱咤が僕の試合に臨む士気を非常に高揚してくれ、不利な立場に置かれれば置かれるほど「絶対にこいつらのばしてやる!」と心に秘めていました。
  さて試合に限らず、どんな世界に於いてもホームタウンディシィジョン的な状況は多々あります。 しかし、そんな状況でも怯む事なく己を有利な立場に導く精神的な術を空手道の修行を通して身につけたいとひそかに願い続けているのだが???

押忍

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