ところで目線は? March 03, 2012

 アメリカで生活していると『弁護士という仕事は揚げ足取りの象徴か?』と思うような体験話をよく耳にしました。実際に弁護士資格を有している人物からも、ちょっとした相手の隙に切り込んでいき自分自身を或いは自分のクライアントの立場を優位にしていくという話を聞きました。こういう話は、異人種・異文化・異宗教のbackgroundを持つ人たちがひしめきあって住むアメリカ合衆国という訴訟社会の産物であると思っていましたが、日本に帰国して生活を始めると、国会議員はもとより、評論家・マスメディア等々いたるところにこういう輩がうようよとしている事に気付かされました。 今回は、その中で少し政治家の話を書いてみようと思います。

  この国に有り余るほどいる政治家の中で私が好感を持つ人物は小沢一郎衆議院議員その人です。(ただ、その後の彼の行動・言動には違和感を覚え、私の認識は変わっています。2018 Oct 17) 以前、氏が自由党党首時代に日本シカゴ商工会議所の招待で講演のために訪れたシカゴ市でお目にかかりましたが、これまであらゆる権力闘争の修羅場をくぐり抜け、政治家としての力を蓄えてきたのだろうと勝手な想像をさせるほど威風堂々とした感がありました。 彼が権力の中枢から外れている今、この時とばかりに常々煙たい存在と感じていた国会議員・マスコミ・有識者と呼ばれる人たちが重箱の隅をつつくようにチョットしたミスをいかにも重罪であるかのようにあぶり出し責め立てています。 彼が『4億円は自分の金である』と言えば、『庶民とはかけ離れた感覚』という変わり映えのしないいつものフレーズやアホのひとつ覚えのごとく『説明責任を』と繰り返す人々。そういう人物に限って金の亡者であったり、自分勝手な奴が多いのを私は良く心得ています。

  ここで私の経験をひとつ、シカゴ市郊外にHighland Park と呼ばれるmillionaire(億万長者)たちが多く住む地区があります。そこに建つ殆どの家は、門から玄関口までに広大な庭があり、噴水やテニスコートを有していたりします。僕がシカゴ生活で金銭的に困窮していた時期、『今に見てろよ!いつか、こういう家に住める人間になってやる!』と己のヤル気を奮い立たせるために、この地域をよく訪れ散歩していました。とはいうものの未だその願いは叶っていませんが・・・。

  自分より恵まれた環境にいる人を羨んだり嫉んだりするばかりでは無く、いつかその人が羨むほどの立場なり、人物になろうと気概を持つ方がよっぽど自分の為になると思うのですが? 武道の道を歩む時には無論、日常生活を送るにあたっても『自分の目線がどこを向いているか?』『自分の目指すところはどこか?』と認識する事は至極大切であろうと考える私です。 押忍

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