死角 (A blind spot)  October 24, 2012

 10日前に家から車で30分ほど離れたところにある乗馬センターでの体験乗馬チケットに当選したという知らせを受け、さっそく一昨日の午前中に行ってきました。『乗馬』と言えば小学生の頃、叔父に連れられ、これまた四国の実家から30分ほど離れたところにあった牧場でロバにまたがり、小学校の運動場ぐらいの広さを何周かさせられた記憶が甦ります。 かすかな記憶ですがロバの背中でも相当高く感じ、怖さのあまりロバの背中にしがみついて乗っていたように思います。 一昨日はサラブレッドに乗せてもらえ、その背中にまたがると目線がまたしても一段と高く感じ恐怖心も少し芽生えてきました。 いくら調教され、指導員がロープで馬をコントロールしていても、言葉の通じない相手では緊張感もなかなか和らぎません。約40分間、『アル・パチーノ』と名付けられた馬に乗り、早歩きする『アル』の揺れに自分の動きを合わせて乗るところまでの経験となりました。 目線が高く速度が増すに従って、身体が上下に振動し始めると同時に恐怖心も増してきますが、それに合わせて立ったり座ったりの動作をリズム良く繰り返さないと自分の尻が痛い上に馬も不愉快に感じるそうです。 

  目線が高くなるという事は遠くを見やすくなりますが、反対に足元が見えにくくなります。 車の運転も同じようにある程度の高さでの運転は楽に感じますが、反対に座席がダンプカーのように高くなると運転する際、死角が多すぎて緊張を強いられるのでは? 以前、ジャンボ機のコックピットから外を見たことが何回かありますが、真下は覗き込んでも見えなかったように思います。 よくハイジャックされた機にSWATが突入する際、後方から近づいて行くシーンが多いのはやはり死角を衝いての作戦でしょうか・・・? テレビ中継なんかの画面を見ている我々は全体を遠くから見れる為、バレバレとちゃうか?と思ってしまうのですが・・・。

  空手の試合に例えると、正面から力で圧倒して倒せる相手だといいのですが、力が均衡している相手と対戦する場合、相手の死角(Blind spot) に入り込んで技を繰り出すように心掛けて自ら仕掛けていかないと勝利するのが難しいのでは??? 守る方は、死角を作らないよう懸命になり、攻める側は死角を作りだし、入り込んで技が出せるように必死に動きます。

  話し変わりますが、シカゴに住んでいたせいか『アル・パチーノ ⇒ ゴッドファーザー ⇒ アル・カポーネ』と連想していき、かの『アル・カポーネ』も数々の極悪非道な犯罪の中で起訴され有罪に持ち込まれたのは『脱税』のみだったような? ただ、それによってサンフランシスコに現在も残っている『アルカトラス刑務所』送りとなり、のちに梅毒にもかかり命を落としたように聞いています。例が良くありませんが、彼にもやはり死角があったのです。

 さて、我が身を振り返り、どこからも相手に攻め込まれる事のないよう、いま一度、『死角』をさらしていないか自問する今日この頃です。  押忍

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