今日を考える November 23, 2012

 先日、女性漫画家が搭乗したJAL機内で発した苦情や振る舞いがネット上で話題になっているとの記事を読み、ふと僕の体験から思い出した事を書きたいと思います。

  シカゴの空港で働いていた期間、もっぱら乗客からの苦情に対応する機会が多々あり、その中でも多かった案件が自分のあてがわれた座席位置に対するものだったように思います。 まぁ〜満席状態でcoach class (エコノミー) の狭い座席が3つなり、4つなり並んだ真ん中にでもなったら・・・そこで13, 4時間我慢しなければいけないと思うと・・・。苦情する人の気持ちも分からないではありませんが・・・・・? それならば空席が多い便を選ぶか、余分にお金を払って事前予約できるticketを購入したりするしかないのですが・・・シカゴ便のように利用者のほとんどが出張者だったり、旅行者でも休日を取るのがままならない環境では自分の意志だけでスケジュールを変更するのは困難極まりないでしょう。 統計を取ったわけではありませんが、私の苦情対応体験の中で日本人に次いで多かったのがユダヤ人とフランス系カナダ人だったような気がします。 しかも、日本では一流と呼ばれる企業の社員やテレビでいかにも善人のようにコメントしたりしている人物が多く含まれます。 私も応対中、あまりにも理不尽な要求だったり、無謀な振る舞いをされると腹の中では『よくそこまでできるな〜!オマエ!一撃でのばしてまうぞ〜!』と拳を握り締めた事は一度や二度ではなかったように思います。 その反面、はじめはカッかしていても話しているいうちに落ち着き最後には自分の態度を反省し謝罪を述べていく人たちにも多く出会いました。特に企業戦士の利用が多かったシカゴ便は出張先での不安を抱えて、或いは出張先で感じたプレッシャーを携えて搭乗しているのかな?とりあえずは、そのストレスを吐き出したいのでしょう? 今思えば、約7年に亘り日々こういう輩を相手に応対してきた経験と米国での心理学の学習経験を活かし空手指導者と兼業で苦情対応アドバイザーなりプレッシャーの多い企業戦士に対し、ストレス解消アドバイザーのofficeでも開けばよかったかな?と思います。()

  もう一つの話は、米国の機内で起こった話がFBで流れていたものですが、一人の中年の白人女性がdoor close間際に搭乗して来た上に、自分の座席の隣に黒人男性が座っているのを見て、その席には座りたくないので他の席に替えるよう乗務員に要求しましたが、あいにくそのFlightは満席状態で唯一ファーストクラスに1席だけ空きがあったようです。この航空会社のポリシーでは、そのような理由で乗務員の判断だけで乗客をupgradeまでする事は出来ない旨をその乗客に伝えキャプテンに判断を仰ぎに向ったそうです。そして、清々しい顔で戻ってきた乗務員は婦人にではなく黒人男性の方に謝罪を述べ、彼をファーストクラスに案内したそうです。その瞬間、周りでその様子を見守っていた他の乗客全員が拍手喝采をしたとの話です。

  約18年間の米国生活で、ここまであからさまな人種差別に遭遇した事はありませんが、やはりアングロサクソン至上主義では?と勘ぐってしまう出来事を何度か経験しました。建前では全人類が平等であるという精神が尊重されていますが、何かにつけて差別というものは、どこの国に於いても実在していると感じます。 そんな世の中でも『どう生き抜くか?』を考えさせられる今日は『勤労感謝の日』です。 押忍
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